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Tang, Z.; Zhang, Z.; 鳴海 一雅; Xu, Y.; 楢本 洋; 永井 士郎; 宮下 喜好*
Journal of Applied Physics, 89(3), p.1959 - 1964, 2001/02
被引用回数:30 パーセンタイル:73.57(Physics, Applied)質量分離した各種のイオン(CH (=0~4))を超高真空中に置いたSi基板上に堆積して、炭素薄膜を合成した。このとき、入射イオン種、エネルギー及び基板温度が重要なパラメータであった。合成した炭素薄膜の表面形態の解析には原子間力顕微鏡を用い、結合状態の評価にはラマン顕微分光光度計を利用した。その結果、100eVのCイオンを室温でSi基板に入射すると、sp結合の割合が約80%にも達する非晶質炭素膜を合成することができた。またこの薄膜の光学的バンドギャップ値は、2.54eVと非晶質炭素としては最大の部類に入るものを得た。さらに耐熱性を評価すると、CHイオンで作製した薄膜は400で黒鉛化するのに対して、Cイオンで作製したものは、700まで安定かつ優れた耐熱性を示した。
大野 秀樹*; J.A.van-den-Berg*; 永井 士郎; D.G.Armour*
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 148, p.673 - 677, 1999/00
被引用回数:26 パーセンタイル:85.55(Instruments & Instrumentation)XPSを搭載した低エネルギーイオンビーム蒸着装置を用いて、Si(100)基板へのCイオンの蒸着を行った。イオンエネルギーは10eV~150eV、基板温度はRT~200Cとし、厚さ約100nmの薄膜を作製した。XPSその場測定のほか、生成した薄膜をラマン分光及びX線回折で分析した。Cのイオンエネルギー80~120eV、基板温度25C及び100Cで90%のグラファイトと10%のダイヤモンドからなる薄膜が得られ、上記以外のエネルギーではダイヤモンドは生成せず、ダイヤモンド様炭素とグラファイトの薄膜が得られることがわかった。
大野 秀樹*; 青木 康; 永井 士郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B, 108, p.75 - 80, 1996/00
被引用回数:2 パーセンタイル:31.89(Instruments & Instrumentation)100eV以下の炭化水素イオンCHとCDを用いてSi(III)基板上に常温で薄膜形成を行い、照射中に生成される2次イオンを2次イオン質量分析法(SIMS)で観測し、薄膜形成の素過程である入射イオンビームと基板表面との相互作用の入射エネルギー依存性に関する知見を得た。実験結果から、入射エネルギー30eVを境にして2次イオン生成の過程が異なることが明らかにされた。30eV以上では物理的過程により生成されるのに対し、それ以下では化学的過程、すなわち化学反応を伴い生成される。また、形成された薄膜も30eV以下では残留ガスの影響をあまり受けずに形成されることが分かった。
大野 秀樹*; 青木 康; 永井 士郎
JAERI-Research 94-018, 45 Pages, 1994/10
低エネルギーイオンビーム蒸着装置は、高崎研究所で進められている放射線高度利用研究の一環で平成3年3月に設置したものである。本装置は、超高真空下におけるイオンビーム蒸着の薄膜形成過程や低エネルギーイオンと固体表面の相互作用の解明を目的として作製されたものである。本報告書は、低エネルギーイオンビーム蒸着装置の概要、運転要領及び本装置でこれまで行ってきた炭素薄膜形成に関する実験結果についてまとめたものである。
大野 秀樹*; 青木 康; 永井 士郎
第4回粒子線の先端的応用技術に関するシンポジウム, p.175 - 178, 1993/00
10~100eVのCH(n=4,3.2)及びCDをSi(111)基板に蒸着しながら、表面から放出される2次イオンを測定した。いずれの入射イオンを用いた場合にも、Cまでの炭化水素イオンからなるSIMSスペクトルが観測された。CDを入射イオンに用いた場合には、CHの場合と異って、SIMSスペクトルに顕著な入射イオンエネルギー依存性が見られた。これらの結果は、入射イオンのエネルギーが40eVより低くなると、入射イオンが化学反応に関与して2次イオンが生成することを示すものと解釈した。